強請り姦り─ユスリヤリ─ 飯村加代パート

私の名前は飯村加代。
江南中学校の二年生。
こうやってあなたに話すのが、きっと初めてです。
思い出すのもおぞましい…。
でも、何だろう…。
何か、そこには光があったような…。
そんなお話。
聞いてくれますか?


「…ふぅ」
今日も退屈な一日が終わった。
「加代、じゃーねー!」
「はーい、また明日ねー」
こんな会話で一日が終わる。
中学になってからというもの、楽しいことが見つからない。
部活なんてやってられない。
正直、そんなモノに精を出せる人が羨ましくさえあった。
そんな退屈してた日常で見つけたものがあった。


"アダルトDVD"
ふとしたことから、お父さんの部屋で見つけたのがきっかけだった。
最初はこんなものを観てるお父さんを軽蔑したキモチで一杯だった。
でも、どういうわけか。
そのDVDの卑猥なジャケットに魅せられてしまったのだ。
自分の部屋に戻り、テレビにヘッドフォンを繋ぐ。
DVDを再生…。
内容は、蝋燭とかムチのようなもので男が女を責めている…。
いわゆるSMというジャンルなのだろう。
私はジーッと、食いつくようにその映像をみていた。
すると、何だろう?
今まで味わったことの無いような感覚が身体を包み込んできた。
身体が熱い。
下っ腹がキュンとなるような、変な感じ。
私は無意識のうちに下着を下ろしていた。
ゆっくりと、股間をまさぐった。
初めて味わう、心地良い快感…。
人生初のオナニーを体験した。
しかも…。
SMDVDを観ながら…。
しかし、私はもはや魅せられてしまっていたのだ。

(もっと、違うSMがみたい…!)

財布の中を確認する。
五千円札が一枚。
アダルトDVDの相場なんて知らないが、多分買えるだろう。
そういえば、学校の男子達がよく「中学生でも売ってくれるエロ本屋」の話をしている。
そうだ。
そこに行ってみよう。
気がついたら私は自転車で向かっていた。


噂のエロ本屋にはすぐに着いた。
しかし、いざとなると中々入る勇気が出ない。
だが、ここで突っ立ってても仕方ない。
意を決して店内に入る。
店内は…思ったほど変なお店ではないらしい。
所々に裸の女の人のポスターがあるが…。
よく分からないので、とりあえず本のコーナーに行く。
(うわぁ…エッチな本がいっぱい…)
うわー、というキモチでまじまじと本を眺める。
すると、何人かの男のお客さんがちらちらと私を見ている。
やばい!
女がこんな店で何してるんだろうって思われてるんだ…。
早くDVD買って出よう。
そう思った私はアダルトDVDのコーナーに入っていった。
タグのおかげで、すぐにSMコーナーは見つけることが出来た。
しかし、AVというのはなんてえげつないタイトルが多いのだろうか。
こんなタイトルを考えつく人の頭の中を覗いてみたいものだ。
物思いに耽っていた私はハッとして、すぐにDVDを探し始めた。
ただ、何本もじっくり見ているなんて出来ない。
2.3本チェックして、安い方のDVDを買った。
2980円だった。

帰りは恥ずかしさもあって、立ちこぎで全速力で帰ってきた。
一目散に自分の部屋に入り、買ってきたDVDを開ける。
初めて買ったアダルトDVD…。
ドキドキしながら再生した。
これだ。
この感じだ。
女の人が責められてるシーンで私は欲情するんだ。
認めたくないけど…。
これがいわゆるマゾヒストというものなのかもしれない。
そして、結局またオナニーをしてしまった。
私は気づいた。
この背徳感が私を欲情させるのだ。
果てる瞬間…私は、もうどうなってしまってもいいとさえ思う。
私は…。
気づいたら、三時間も経っていた。
買ってきたDVDは絶対見つからないような場所へ隠して…。
その日は、オナニーのせいもあってか、すぐに眠りについてしまった。
しかし…。
悪夢はその翌日にやってくるのだった…。
 ─翌日─

「…はぁ」
今日もやっと退屈な一日が終わった。
帰ったら…またオナニーしようかな…。
そう考えると何だか帰るのが楽しみになった。
そして、同時に沸いてくる背徳感。
私は変態なのだろうか…?
そんな自問自答を繰り返し、のそのそとバックを開けると…。
(?)
何か、紙が入ってる。
テストの答案用紙か何かかな…?

…?!…

開けてみたら、絶句した。
これは間違いない。
昨日、あのエロ本屋でDVDを買うときの私の姿だ!
そして、その画像の下には…。
「屋上へ来い」
ああ、なんということだろう。
よりによってあの姿を撮影されるなんて。
しかし一体誰が?
いや、そんな事よりどうしよう…。
私は逃げるように教室を飛び出した。
トイレで顔を洗い、じっくり考えた。
動悸が止まらない。
考えあぐねた結果…。
いずれにしても、この動画を持ってる相手を説得しなきゃならない。
ばらまかれでもしたら…終わりだ。
大げさな言い方かもしれないが、私は本当にそこまで追い込まれていた。

…行くしかないのだ。

私は意を決して屋上へ向かった。

屋上の鉄扉の前まで来た。
この先に、この犯人が居る…。
覚悟を決めろ、加代!
私は扉をゆっくりと開けた。

(…え?)
愕然とした。
そこに居たのは、同じクラスの佐々木くんだったからだ。

「…よォ」

私はイラッときた。
こんなことをしておいて、なんて軽い男なんだ。
私はここは言いたいことを言ってやろうと思った。
こんな男には当然の報いだ。

「はぁ、なぁに?元々キモイヤツだなってずっと思ってたけどさ、何?盗撮までやるんだ?ヴィジュアルだけでも十分近寄りたくないヤツだなーってずっと思ってたのに、屋上に呼ばれて話までしちゃったじゃん。何?このシチュエーション?告白まがい?はぁ、もう今日最悪なんだけど。」

言ってやった。
私の怒りを考えれば足りないくらいだが、まぁいい。
早くこの場を去りたかった。

「ま、そういうわけだからさ、とっととその動画データ?削除してくれない?今すぐ、あたしの見ている前で。」

しかし、甘かった。
事態は最悪な方向へと向かってしまった。

「動画を消す?何言ってんの?オマエそもそも何でここに呼び出したか分かってねぇの?」

?!

どういう事だろう?
私は「はぁ?」と言い返した。

「おつむの弱いオマエの為に教えてやるよ。オマエは今からここで恥ずかしい事しなくちゃいけねぇんだよ。どういう意味か分かりますか?」

私はついビクッと身構えてしまった。
なんということだろうか。
彼は私に性的な要求を求めている。
断れば、あの動画をばらまくと・・・

「逃げたきゃ逃げてもいいんだよ俺がパソヲタなのは噂で知ってるだろ?逃げたらこの動画、知人友人親類ご父兄までイヤでも見てしまうようにしてやるからな?」

彼は噂ではかなりのパソコンマニアらしい。
そんなことも出来てしまうのか…。

私は…条件を呑んだ。
仕方なかった。

「脱げよ」

彼はぶっきらぼうに言い放った。

私はのそのそとした動きで、セーラー、スカートを脱いだ。
その時。

「おせぇよ」

そう言いつつ強引に脱がせ始めてきた。

「いやっちょっ、何すんだ

私は言い返そうと…。

しかし。

彼は眼で伝えてきた。

(言うこと聞かないなら、分かってるよな?)

眼がそう私に警告している。

もう駄目だ。
私は、全てを諦めた。

初めてセックスという事をした。
詳しいことは言わないけれど、全てが初めてだった。
しかも、「初体験の甘いセックス」なんかではない。
私は犯され、陵辱されたのだ。
ここでは言えないくらいに…。
しかし、どう説明したらいいのだろう。
イヤだった。
その気持ちは偽りではない。
しかし、彼とのその行為の中、何か耽美なモノを感じてしまったのだ。
背徳的で、堕落的で、でもそれは美しく輝いている。
決して触れてはいけない…禁断のモノ。
どう説明したらいいのか分からないけど…。

「ワタシガ、ワタシデナクナル…?」


どうでしょうか。
これが私が経験した私の中の「非日常」です。
あの行為の中、私は必死に抗って、でも抗えきれない何かに惹かれてしまったのです。
…その後の彼との関係ですか?
そうですね…お話ししたいことは実はまだあるんです。
ですが、それはまた次の機会に…。